人を理解する力

 仲の良い兄弟が、わずかばかりの財産相続のことで恐ろしい骨肉の争いとなっ てしまうことがよくあります。知人友人の仲でも、権利を主張し会って裁判沙汰 になることもよくあります。大企業では、ストライキの権利を主張して賃金闘争 をします。

 人間は、自分が一番可愛いから、その欲のために権利を主張して戦って勝ち取 ろうとしたくなるのでしょうか。銀行ギャングは、お金を見るまでは見事なチー ムワークで秒読みの完璧な働きをしますが、お金を見た途端に欲に目が眩んで仲 間の殺し合いが始まります。銀行ギャングでなくても、昔は欲のために簡単に人 を殺していました。それは、動物の世界とあまり変わりがなかったともいえるの かもしれません。

 ところが人間は、動物と違って相手を理解する能力があるから、殺し合いまです る必要がないことに気が付いたのではないでしょうか。人間は、更に相手を理解 する心を学べば、権利を主張して争うことも次第になくなっていくのかもしれま せん。

 今日の社会は、お客様をどれだけ理解できるかという競争をし合って生きる時代 が来たのではないでしょうか。企業も、会社と社員がお互いに理解し合うことが 一番大切なことであり、そして会社は、社員の隠れた能力を発見して育てること がこれからの企業競争に勝つ鍵となってくるのかもしれません。

 人はどんな立場にあろうとも、相手を理解する力のある人が一番幸せになれるよ うに出来ているものなのではないでしょうか。



 人間は、自分を理解してくれる人のためならば、命をかけてもよいとま で思うものです。
 人を理解することの大切さと尊さを、人類は未だよく分かってないの かもしれません。