卒 業

 最近、日本でも離婚が増加の一途をたどっており、今二分半に一組が別れて います。

 好きになったから結婚するというところに問題があるのかもしれません。好 きになったから結婚するというのでは、嫌いになったから別れるということ になります。

 まるで動物のように好きが嫌いかということだけで自分の運命を決めていく という生き方で、人間は幸せになれるものでしょうか。

 人が生きるということは好きか嫌いかという感情が一番大切なことではあり ません。小学校の子供でも好きか嫌いかだけで動いているのではありません。  学校ではこうしなければいけないとか、こうあるべきだということをしっか り守って行動しています。

 それが大人になると急に解放されて、好き嫌いの感情が何ものにも優先され るようになってしまうのは何故でしょうか。

 教育の目的は人格の完成にあると、日本では教育基本法に書かれているのに、 それすらも知らない人が多いようです。

 クリントン大統領は、アメリカを世界一教育レベルが高い国にすると宣言し ました。

 日本では受験戦争が一番大切と思われています。卒業が簡単だから大学は遊 ぶところだと思っている人も少なくありません。それに比べて、アメリカは 卒業が難しいので教養が身に付いてゆくのでしょう。

 人生にはいろいろな難問があります。それを次々に卒業していくものだとい うことを常識とする世の中になった時、結婚も子育ても仕事もマスターして、 卒業しなければならないという頑張りから、分別なども生まれてくるのでは ないでしょうか。



 学校も結婚も就職も入門しただけでは何の意味もありません。
 マスターして卒業することが価値のあることとする 常識の世の中にしなければならないのではないでしょうか。