もう間に合わなくなる

 最近の会社の面接試験は、「あなたは道を歩く時、キョロキョロしな がら歩きますか?」とよく聞かれるといいます。

 今までの産業社会は、物をどんどん作る大量生産の時代でしたから、 ただひたすら機械のように働けばよかった時代でした。

 今日のように物が溢れる時代になってくると、物を貰っても人それぞ れに好みが違うし、又置き場にも困るのであまり喜ばれなくなりまし た。

 品物に対する好みが複雑になってきただけでなく、人はそれぞれ違っ た価値観を持つようになって来たので、人を理解することが非常に 難しくなって来ました。

 しかし企業は、お客様を理解してそのニーズに応える競争です。新し い社会に対応できる人材づくりを急がねば間に合いません。

 街を歩くと様々なお店が並んでおり、そして一つのビルの中には様々 な業種の企業がぎっしりと詰まっているかのようににぎやかです。

 99%以上が中小企業の時代ですがそれだけ企業はあらゆるニーズを発 見して活躍しているのでありましょう。

 これからの社員は、お客様は何を望んでいるかということを的確に捕 え、それにどう応えてゆくかということが仕事となってきました。

 機械のようにロボット的な無神経な働き方ではなく、豊かな感性を持 って、あらゆるお客様の心を理解する能力が問われる時代です。

 学校は自己主張をして自分を磨くところですが、社会は他人の自己主 張のお手伝いをしてお金を戴くところです。

 自己主張をして自己満足をしながらだけでは人は生きてゆくことは出 来ません。

 他人の自己主張のお手伝いをするには、他人を理解する勉強を学校時 代から余程勉強しておかなくては、もう社会に出てからでは間に合わ ないのではないでしょうか。



 自己主張も大切です。しかしそれと同じように他人の 自己主張のお手伝いの出来る人間を作らなかったら世 の中は一体どうなってしまうことでしょうか。