老いは残酷

 人間は年をとると、将来は幸せになるような気がするものです。

 しかし、日本は世界一の超高齢化社会が今訪れようとしており、年金はパンクがささやかれており、保険は危なくなり始め、そして高齢者の失業は益々深刻化しつつあって楽観出来るものは何もありません。

 年をとると体があっちこっちと悪くなり、体力も気力も衰えてゆくばかりです。その上、みんなに見放されていくとしたら人間の老いとは一体何でしょうか。

 人は死にたくても死ねるものではありません。弱る一方の体をどうすればよいのでしょうか。老いは残酷です。

 今、若者に「あなたはアリですか、キリギリスですか」と聞いたら、多くの人が堂々と「自分はキリギリスです」と答えます。

 いかにおもしろく遊ぶかという快楽主義の傾向のせいか離婚率は増加の一途を辿っています。又、少年の凶悪犯罪の激増も今問題になってきました。ゲーム遊びで育つ子供たちは、人間関係の勉強ではなくボタン一つで殺しを楽しんだり、画面の上だけで血を流して自らの痛みを何も体験しないために、人の痛みを思いやることが出来ません。

 人間は年をとってからでは自分を鍛えることが出来ないのですから、若い時に体を鍛え心を磨くことを一番にしなければならないはずです。

 いろいろなものに挑戦して学ぶという向上心と共に、何よりも老後の為に体力、気力を養って、老後に備えるという姿勢が必要です。

 人には必ず恐ろしい老いがやって来ます。寒い冬の到来のための準備をするアリに学ぶ心を持ちたいものです。



 あなたにも老いは必ずやって来ます。
 まごころや感謝のある老人は大切にされます。
 しかし、それは若いうちから鍛えて身につけておかなければならないことではないでしょうか。