人格表現

 人間は自分が一番可愛いから、知らず知らずこころは自分の方に向いてしまいがちです。 自分のことを先に考え始めたら、もう他人のことは考えられなくなってしまいます。 だからいつもよほど他人のことを考えていなければ、何事もものを正しく見ることは出来ません。

 大体自分のことは見えにくいものです。 他人のことを考える時は客観的に見られるから、あらゆる角度から見ることが出来ます。

 人は自己中心的な生き方をするよりも、お互いに相手のことを考え合い、 思い合って生きる生き方の方がはるかにお互いのために良い生き方が出来るはずです。 またそうして人間は磨かれてゆくものなのではないでしょうか。 それを自己主張とかといってあまりにもとらわれすぎていると、 もう他人のことは全然考えられなくなって、人間が小さくなってしまいます。

 今までの経験や知識をはじめあらゆるものがこころにインプットされて人格は出来上がったものです。

 人が何か作品を作ったり仕事をする時は、その人の人格表現をすることです。 つまり入力があって出力が出来るのですから、自己主張とか自己表現という出力以前に、 人格育成とか人間形成のためのインプットに力を入れなければ、なにも出てくるわけがありません。 入力がされてなければ出力は出来ません。

人は何かを作る時、ヒラメキが湧いてこないなどといって嘆くことがよくありますが、 それはまだまだ入力が足りない姿ですから、もっと好奇心を旺盛にして、 広く勉強しながら自分を磨いてゆくように努力しなければならないのではないでしょうか。



 自分の好きなことばかりをするよりも、たまには嫌いなことに挑戦して全く違った価値観を学んだり、 そして好奇心や感性を広げながらスケールの大きな人間になろうとすることも大切なことではないでしょうか。