心の病を治す法

 人間の体が時々病むように、人間の心も時々病むことがあります。 精神の病というものは、痴呆もその一つに数えられていますが、 共通していえることは被害者意識が強くなることだと医者は言います。

 自己中心的な気持ちが強ければ強いほど、被害者意識は強くなるものです。 相手を中心に考え、相手のためを考えているときは 自分のことは考えるひまがなくなってしまいます。

 相手の身になって考えることを、まごころといいます。 まごころとは犠牲をいとわぬ心ですから、それ程までに我を忘れられるならば ストレスにも負けない強い心になるのではないでしょうか。

 就職をした新入社員はみんな、素直に一生懸命に働きます。 教えて頂くことがいっぱいで、先輩に迷惑をかけたり失敗したりするので いつも小さくなって「申し訳ない、申し訳ない」と言っています。

 ところが一人前になってしまうと、給料に不満がわいてきます。 そして被害者意識の強い人になると、 自分が損をしているような気がしてたまらなくなってきます。

 さらにひどい人になると、 社長や上の人達の幸せは自分達の犠牲の上に成り立っているのだと思って、 毎日不平不満の気持ちばかりで働くようになってきます。 バカらしくてバカらしくてたまらない気持ちをどうすることもできません。

 しかしそれは、心の病気から来ているものであったとしたら、 病気を治さない限りその被害者意識は止まりません。

 これと同じようなことが、誰にでも少しくらいはあるのかも知れません。 心の病を治すには、まごころを強く持つこと以外にないのではないでしょうか。