なぜキレる!

 電気も、ショートしたり容量オーバーしたりするとブレーカーが落ちます。

 人間も、理性や感情のエネルギーが電流のように流れているとしたら、ショートしたり容量オーバーするとパンクして壊れてしまうのかもしれません。

 最近のように価値観が多様化してあらゆるものが複雑になってくると、容量オーバーになって脳がマヒして対応しきれなくなる子供が出てくることがあってもまた不思議ではないのかもしれません。

 数年前はプッツンといっていたものが、最近はキレるという言葉になって流行しています。プッツンというのは堪忍袋の緒が切れたという程度のものかもしれませんが、最近のものは前後の見さかいなくあばれたり人殺しをするのですから、我慢をしないで壊れて爆発するようなものです。そこには何かの計り知れない大きな原因があるのではないでしょうか。

 何かを突然に壊したくなるような気持ちになるといいます。それはストレスのたまった自分を他人に投影して攻撃的になるのでしょうか。

 しかし昔はあまりなかったことですから、昔と比べて考えてみるとわかるのかもしれません。

 昔は人の為に犠牲になることを美徳とする理想がありました。最近は自己主張ということの考え方が悪いのか、自己中心的な性格になり、その上、理想というものがなくなりました。規範や理念というものもない為に、動物的な衝動人間が増加しているのではないでしょうか。

 要領のよい人だけが成功し、正直者はバカを見るという世の中ではないことを子供達に教え、みんなが将来に希望を持って、謙虚に人間形成をすることを美徳とする風潮をつくることが急がれているのではないでしょうか。



 テレビや雑誌から受ける影響が一番大きいとしたら、テレビや雑誌が人間をつくり変えているといえるのではないでしょうか。興味本位や儲け本位のマスコミの責任を追及しにくい世の中のシステムに問題があるのかもしれません。