自分らしさの発見

 人間社会にはノーベル賞をはじめいろいろな賞が数えきれない程沢山あります。

 独創的な研究の努力が評価される為にいろいろなものが現れて人間社会の文化を豊にしてゆきます。

 光ファイバーを発明した文化勲章受賞者西沢潤一氏は父親から他人の歩いたところには何も落ちていないといつも聞かされて育ったといわれます。

 他人の真似をするのは簡単ですが、他人の出来ないことをやるということは簡単なことではありません。その為には人の二倍三倍の努力ではなく百倍千倍の努力と時間が必要です。

 まず努力において他人が真似をしようと思っても出来ない程の努力をしなければそれだけの成果は出て来ないのではないでしょうか。

 百倍千倍の努力というものは、好奇心も百倍千倍でなければストレスに負けてしまいます。人間は好きでやる時にはストレスには強いものです。

 だから好きな事を探せという人がありますが、しかし一生懸命にやっていれば何でもおもしろくもなり愛着を感じて好きになるものです。

 ベートーベンのように耳が聞こえなくてもあれほどの作曲が出来たということは、みんなゼロからのスタートであってもマイナスからのスタートであっても、努力が何よりも大きくものをいうのでしょう。

 始めから自分らしさの発見があるのではなく、夢中になってやっているとそこに必ず自分らしさが出てくるものです。

 自分らしさとは自分で誇るものではなく、他人が評価してくれるものではないでしょうか。



 十人十色、千人千色と天が与えたものならば、自分は何色かを考えるよりも、まず人の為世の為に尽くしていると、また新しい色を天が与えてくれるものではないでしょうか。そこに本当の自分らしさという宝物が生まれてくるのかもしれません。