人の喜ばせ方


 物が不自由な時代には、人に物を差し上げるだけで喜ばれましたが、欲しいものは何でも自分で簡単に手に入れることが出来る時代では、物を人から頂くと余計な気をつかわなければならないから、嫌がる人もいます。

 人は誰でも欲しいものを頂ければうれしいが、欲しくない物を頂いてもうれしくはありません。段々と世の中は難しくなってきたのかも知れません。

 例えば家族や友達の間で欲しいものといえば、良き理解者になってほしい、優しい雰囲気が欲しい、素直であってほしい、明るい言葉や明るい返事がほしい、静かにしてほしい、もっと自分を大切にしてほしい、などとあげていくとキリがないほど沢山あり、それらはみな人によって様々で異なっています。

 人を理解する力のない人の親切は、押し売りの親切となって、尽くせば尽くすほどかえって嫌われてしまいます。

 人をよく理解する力のある人は、人の欲しいものがすぐわかるだけでなく、その人の為になることは、何であるかという親心のような心くばりも出来るから、将来に向かって末ながく喜ばせ続けることが出来ます。だから心から喜ばれ、心から感謝されることになります。

 幸せとは人を理解する力から生まれて来るものかもしれません。

 ビジネスも相手の身になって考えれば考えるほど、いろいろなものが見えてくるはずです。そしていつの間にか、心は一つになってゆきます。

 やがて、何かをしてさしあげずにはいられない気持ちになって、知らず識らず行動に移っているものです。

 そこにビジネスの基本があるのではないでしょうか。