チャンスは苦しみの後に

 
 動物は自分が不幸になっても、自分は不幸であると考えることは出来ません。ただ順応することしか考えません。  

 人間は不幸になったり苦しくなったりすると、なぜこんなことになってしまったのかと原因を考えたり、対処のしかたをいろいろな角度から考えます。だから苦しむ度に人間は何かを学んでどんどん進歩発展を続けます。  

 しかし、せっかく人間として生まれてきながら何も考えないどころか、ただ逃げようとばかりする人もいるのではないでしょうか。  

 そうした人は考える習慣を身につけてこなかったのが原因になっているのかもしれません。とかく忙しくなると人は考えるヒマをなくしてしまうものですが、それでも考える習慣さえ身につけておけばそれなりに対処できるものです。  

 何も考えないで順応するだけの方がたしかに楽かもしれません。しかし、そこで楽な道を選べば苦しみはなお続くだけでなく、また次から次へと別の苦しみがやってきます。  

 どんなに苦しくとも、その苦しみの原因と今後の対処のしかたを考えるのが、人間というものではないでしょうか。  

 孤独になって一人で考えることが必要な場合もあれば、人に聞いてヒントを探すのがよい場合もあれば、みんなで一緒に考える方がよい場合もあります。そうして考えることがおもしろいというリズムを身につけることが大切です。  

 考えることが得意になると、苦しくなる度にうれしさがこみあげてくるから、頭はいよいよもって冴えることでしょう。苦しくなると輝いてくる人もいます。  

 偶然に来るチャンスを待つのではなく、自ら苦しみを求めて、そこからチャンスをつくってゆくことが人間らしい生き方であり、
それが無限な進歩発展の生き方ではないでしょうか。

 
 
人は楽になると何も考えなくなってしまいがちす。
大いに苦しみ、大いに考えることからチャンスは無限に生まれて来ます。