毎日健康に暮らしている人で、健康の本当の有り難さのわかる人がどのくらいいるでしょうか? 歯が痛い思いを自分で経験してみなければ、自分の歯が痛まないことの有り難さもわからないし、他人の歯の痛む辛さすらもわかりません。 大きな病気を克服してきた人は人間性も磨かれているところがありますが、病んだことのない人は人間の一面しか知らないので、どこかにのんきなところがあるようです。 また、親から十分に守られて何不自由なく育った子も、同じように、人生の一面しか見えてない為に、どこかにのんきなところがあって、人生を失敗することもあります。 家庭でも仕事でも人の優しさに包まれて生きていると、幸せボケになるのか、人の好意をいつしか当たり前のように思って何の感謝もなく生きていることがよくあります。 それはやがて、心のおごりという恐ろしい病いとなって、喜びの気持ちは消え、そして、人に対する不満が募る結果へと変わってゆくことでしょう。 人は幸せになると幸せが見えなくなってしまいやすいものです。失ってからその尊さがわかったのではもう間に合いません。 大切なものの値打ちがよくわかってこそ、それを追い求める意欲が生まれて来ます。 人の小さな好意が大きく見えるようにならなければ、折角のチャンスを逃してしまうのではないでしょうか。 |
幸せは人の心におごりをつくり、チャンスを粗末にして逃がしてしまいます。 |