感謝とうらみ

 この世で一番立派な心は、人をたすける心と感謝の心です。

 この世で一番悪い心は、人を倒す心と恨みの心です。

 自分のことは忘れて、人のために犠牲的に尽くすということは大変難しいことです。しかし、相手が喜んでくれてそのうえ感謝の念まで持ってくれた時は、尽くして良かったと思いもっともっと尽くしたくなります。

 ところが、自己中心的な心から相手を倒そうと思うなら、相手は決して我慢できるものではありません。戦うか恨むしかありません。

 もし恨みの念力が人の運命を変える力があるとでもしたらこんな恐ろしいことはありません。倒し合い恨み合いによってお互いに滅びて消えてしまうことでしょう。

 反対にたすけ合い感謝し合うならば、運命はお互いにこの上なく栄えて行くに違いありません。なぜならば感謝は人を拝む心です。念ずるような心です。もしそこに念力のような力が働くとしたら、そこに幸運が訪れてもなんの不思議もないのではないでしょうか。

 そして、さらにこの世の中で最も恐ろしいことは、恩ある人を恨むことです。

 それはあまえから、感謝すべき部分に目を向けず、気に入らないところだけを見て怒ったり恨んだりする心です。やがて運命の回路が壊れて、人生はメチャメチャになってしまうことが起きたりすることはないものでしょうか。
 子供を育ててみてはじめてわかる親の恩と言います。
 あまえが原因で子供が親をうらむことがあったとした ら、もうその時は子供の将来はないのかもしれません。