ナンバー2 その二

 
 ナンバー2の一番大切なことは、トップの良き理解者であることです。

 それは仕事面でも人間性の面でも、誰よりもトップのことをよく知っていなければ十分な働きは出来なからです。

 仕事面でも人間性の面でもトップの弱いところを補佐することと、良い面を思いっきり伸ばすことが仕事です。

 トップは前に向かって走る人ですから、後ろは振り向く必要のないように万全の構えで内を治めなければなりません。

 後ろが心配や不安の状態では、前から来る強風や荒波に向かって走る力は鈍ります。危機予測をして作戦を練ったり準備計画をしたりトップの頭の中はコンピュータのような緻密な計算で忙しいものです。

 だから、その為の良き環境づくりをすることも、ナンバー2の大事な仕事と言えましょう。

 常に情報を整理して内部の報告は勿論のことあらゆる角度からの情報提供を十分過ぎるほどにしなければなりません。

 しかしまた反面、リラックスをさせて平常心を保てるように感情のコントロールをすることも、一つの大きな役目でもあります。

 その為にはナンバー2に対する絶大な信頼関係を必要とします。どんな小さなミスもぬかりも許されません。また、人格的にも優れていて、いつも人間の原点を見せることが出来たならば、トップは空港の大地のような思いで空高く飛んだり着陸したりと活躍できることでしょう。離着陸の厳しさに大地は時には傷つくこともあるかもしれません。

 しかし、そんなことに一切気を使わなくてもよいようにしてあげる優しさと大きさが求められるのではないでしょうか。

 成功するか否かは、むしろナンバー2にかかっているとも言えるのかもしれません。
 自分というものがあり過ぎたり、価値観が違っては一緒に仕事をすることは出来ません。