ナンバー2 その三

 
 トップは王様の役です。ナンバー2は王様の参謀の役であり、片腕の役でもあります。王様は内からも外からも注目されています。王様はいつも光り輝いていなければなりません。その為にはそれを演出する陰のプロデューサーが必要です。

 指導者は手を汚してはならないという鉄則があります。汚れ役を自らが買って出て、いつも犠牲的に献身的に尽くす役でもあります。

 ナンバー2は縁の下の力持ちという役目ですから、居るのか居ないのかわからないような存在でありながら、しかももし居なかったならば一時も生きて居られないというほどの陰の働きをする人です。

 そこには当然絶大な信頼関係が生まれてくるはずです。無二の親友という間柄ともなって何でも相談し合う仲となることでしょう。

 しかし、友達とは違って一つの目的の為につくられた関係ですから、友達と楽しむような次元ではなく、日々の目的に向かって前進するという高度な次元を保つことを忘れてはなりません。

 いかなる時も馴れ合いを慎み、毅然とした礼儀を持ってその範を示すことで全体を引き締めてゆくことも仕事の一つです。

 厳粛な間柄であってこそお互いに厳しさを求め合うことが出来ます。

 トップは鋭い洞察力を持って、既成概念や常識を超越しながら無から有を生じさせるような開拓者でなければなりません。

 ナンバー2はその為の土台となって、ある時はクッションの役をしながら、トップに安定感を与えつつ、そして存分な働きの場を与え大きな器となる役目をするものなのではないでしょうか。