たくましさと知恵

 
 徳川家康は「人生は重荷を背負いて遠き道を行くが如し」と言いました。

 人は誰でもみな悩みのない人は居りません。その人の力に応じた荷物を運命が持たせているかのようです。

 大きな荷物を運命が背負わせて歩かせているのに、道は決して平坦ではありません。

 山坂やいばら道や崖道や、そして行き止まりの道などあらゆる困難と戦いながら人はみな歩いています。

 しかし、なぜか他人の荷物は軽く見えます。自分の荷物があまりに重すぎるからでしょうか。それとも人はみなたくましいから平気なのでしょうか。苦しみに立派に打ち勝っている人ほど重そうな顔をしていないのかもしれません。次々に起きて来る困難をまるで楽しんでいるかのように立ち向かってる人も居ます。

 人間に一番必要なものはたくましさです。それは自動車のエンジンのようなものではないでしょうか。

 そしてもう一つ同じように大切なものは知恵です。それはハンドルさばきのようなものではないでしょうか。

 たくましさだけで知恵を使わなかったら、スムーズには走れない為に十倍も百倍も苦労することになり、やがてはトラブルを起こすことになります。いつもあらゆる方法を考える知恵が必要です。

 知恵は外に向かっては方法ですが、内に向かっては自分の人間性を高めてゆくことに使うことが大切です。

 あらゆる苦労を砥石だと思って、自分自身の人間性を磨いてゆく為のものであると考えて努力することが出来たら、どんな知恵でも自然にわいて来るものではないでしょうか

 これからは知恵の時代の始まりです。。
 
 さけるな、にげるな、突き進んで行け。
 そこに新たな道が開ける。
 困難は人をたくましく、賢くしてくれる。