素直の本当の意味

 

 素直とは、曲がった癖がなく、従順で心が正しいことであると辞書には書かれています。

 人生を生きていく上には知らず知らずいろいろな癖がついてゆくものです。

 その癖がついた分だけ柔順にはなれません。自分が正しいと思っていることが違っていることだってあり得ることです。またその分だけ人とは意見の合わないことが起きて来ます。

 何が正しいのかという見方の基本が違っていると、意見はことごとくずれて来ます。自分の考え方が正しいという思い込みの激しい人ほど他人の言うことに従順には従えません。

 そういう人に素直になりなさいと言っても、形だけロボットのように動くことしかできません。

 本当の素直ということは、自分の考え方も正しいかもしれないが、もしかしたら相手の考え方がもっと正しいのかもしれないと思う謙虚さがあることではないでしょうか。

 そうすると、他人の話に真剣に耳を傾けます。自分の考え方にこだわらずに従順に従ってみようかという動きも出て来ます。

 素直とは、まさに水のような心になって、相手の心に添いきってゆくことですから、余程大きな心というべきものかもしれません。

 対立からは相手を見ることは出来ませんが、素直な心になった時には相手の全てが見えて来るのではないでしょうか。
 
 心の大きな人は素直さを経験して来た人です。
 素直さとは美しい謙虚さです。