おかえりなさい

 「いってらっしゃい」とか、「こんにちわ」とか、「さようなら」、「おはよう」、「おやすみなさい」などと毎日なにげなく使っている言葉が沢山あります。

 その中で一番大切なのは、「おかえりなさい」という言葉ではないでしょうか。

 家に帰った時、待ってましたとばかりにニッコリと声をかけられると、誰でもホッとして心からやすらぎを感じることでしょう。

 人間としてもっとも淋しいことは、誰からも必要とされないことです。

 だから待ってましたとばかりにニッコリされることは、自分は必要とされているのだと潜在意識の中にだんだんと入ってきて、精神の安定につながります。

 自分はそんなに大切な存在であるのかと思うことで自信や希望がわいてきます。そして好意や信頼や寛容の精神も生まれてきます。

 生き甲斐とは存在感であるとも言われます。

 自分を待ってくれている人が居ると思うと、その人の為に頑張ろうと思うのが人間です。

 「おかえりなさい」と一番いい声で、一番いい顔を見せることから、家族のきずなは出来てゆきます。

 飛行機でも無事着陸出来たという喜びがあるように、人間も無事に帰ったという喜びがあります。

 それを心から「おかえりなさい」と迎えて喜びを増幅し合うところから幸せは始まるのではないでしょうか。


 「おかえりなさい」という言葉の中にどれだけの思いやりを込められるかは、その人の人間性の表れるところではないでしょうか。