愚か者にはなるまい

 少し極端な言い方をすると、人は誰でも愚か者です。

 愚か者は必ず失敗をします。

 失敗をしても気がつきません。だからいつまでもそれを繰り返し続けます。

 もっと愚か者は、取り返しのつかない失敗をします。

 言い訳の上手な人は大きな愚か者です。だから失敗をいつまでも続けます。

 賢者は失敗をしません。なぜでしょうか。

 それは普通の人には見えないものが見えるから、こうすればこうなる、ああすればああなると先を読むことが出来るからです。

 賢者は失敗を直ぐに認めます。そしてそこからいろいろなものを学び取ります。他人の失敗から学び取ることも上手です。

 他人の失敗を他人ごとと思いません。だから十人の失敗から学べば十倍も賢くなり、百人の失敗から学べば百倍も賢くなるので、その差はひらく一方です。

 また賢者は、大事なことと大事でないことの区別がはっきりと直ぐにわかります。そしてさらに大事なことの優先順位がわかります。

 ポイントがよく見えているので無駄をしません。無駄をしても無駄を生かすことがまた大変上手です。

 一生懸命に努力をすることも大切ですが、賢者は努力よりも方法が大切と考えます。だから、方法についての研究に一番力を入れます。

 道を間違えたら、やればやるほど取り返しのつかないことになることをよく知っているからです。

 賢者と愚か者の違いは、改める勇気のことを言うのではないでしょうか。


やってみなければわからないという人がいたらそれは失敗してみなければわからないということと同じかもしれません。