道理を説かれると、なるほどとは思いますが、人は道理についてくるものではありません。
人は情について来ます。
親が子供に道理を説いて言って聞かせますが、大人になってそれを思い出そうと思っても殆どは忘れてしまっています。
お説教で人は育っていくのではありません。
道理を説くお父さんよりも、情を通わせてくれるお母さんを子供は慕います。
道理を言い合う夫婦はけんかばかりしています。
情を通わせ合う夫婦は愛情豊かに仲の良い人生を送ります。
道理は骨のようなもので、見えないところに隠れていて、そして全体をしっかりとさせているものではないでしょうか。
情は筋肉のようなもので、柔軟なやさしさかもしれません。
言葉は皮膚で、美しさと全体をカバーする役目を必要とするのかもしれませんん。
美しい言葉と行き届いた言葉は人を魅了します。
道理だけでは骸骨です。
情だけではコンニャクです。
言葉だけだったらにせものです。
この三拍子のバランスが人間の魅力となるのではないでしょうか。