お説教より感化

 「あなたは間違っている、あなたはダメだ。」と言われてショックを感じない人はおりません。

 自分が尊敬している人や信頼している人から言われたら立ち上がれないほどのショックを受けます。

 三つほめられて一つ注意されたのなら、あと一歩だ、頑張って改めようという元気が出ます。 

 一つほめられて一つ注意されたら、差し引きゼロですから、元気もゼロです。

 自分を改めるということは方向転換をすることですから、元気がいることです。

 どんなに的確な注意を受けても、改める元気がわいてこなければ何の役にも立ちません。

 立派なことを言ってくれる人よりも、立派な人格の人を見て、自分で気がついて改めたくなるというのが一番効果があるのではないでしょうか。

 お説教して言って聞かせるよりも、だまって人格で感化する力を持つ方が、上も下も横もすべての人に簡単に影響を与えられます。

 百の説法より感化に勝る力はありません。

 「子供は親の背中を見て育つ」というのは、お説教で育つのではなく感化で育つという意味ではないでしょうか。